【日常】日雇い労働者が”人並みの生活”を意識し経験することの意義 2021/08/06
一翔びに物事は成就しない
「何かを成し得るには、長期で考えなければダメですね!」
今朝、淳が唐突に言ったセリフ…
オレは思わず「お前、いいこと言うなあ。きちんと気づいてるじゃないか」と。
続けて「一飛びに物事は成就しない」と。
ここで、淳の貯金の話題になった。
彼には「とりあえず、深く考えないで、1000万円を目標に、現金を貯めておきな」と言っている。
毎年250万円貯金するとしたら、4年かかる。
一翔びには行かない、中長期の目標だ。
ただ、オレは「5年かかってもいいと思う」と付け加えた。
お金を貯めて行くうちに、生活力が身につく。
自分に自信や余裕が芽生えるようになる。
異性にも引け目を感じなくなる。
やがて「恋人が欲しい」と考えるようになるかも知れない。
彼は、Gに入る前まで、役者の道を目指していたので、食えない生活をしてきた。
今年、彼は34歳になる。
これまで「人並みの生活」を経験したことがない。
「人並みの生活」には、様々な解釈があるだろうが、淳と話す際、オレが生活や収入の比較対象としているのは「サラリーマン」「ホワイトカラー」。
週休2日制、安定した暮らし…みたいなイメージだ。
Gにはボーナスがないけど…
恋人ができれば
「愛しい気持ち」
「大切に思う気持ち」
「一緒にいたいと思う気持ち」
「守りたいと思う気持ち」
「助け合い」
「心の支え」etc.
を育む。
人の傷みがわかるようになるし、優しい気持ちになれる。
人として「深み」「人間力」を身につけるチャンスだ。
Gの連中は、計画的に人生を考える知恵がない「その日暮らし」…そんな奴しかいない。
サバイバルゲームをしている野良犬だ。
・人を信じない
・二股かける
・騙す
・条件がよい話があれば、これまでの関係を破棄してでも、節操なく飛び付く
・場当たり的で、スキルを磨かない
・落ち着きがない
・生活力がない
・不安定
自分に実力を身につけ、お客さんから推挙され、指名現場を獲得し、責任を全うしようとする気概がない。
彼らは、「目の前にある日銭」が大切で、堅実に努力して、一定期間をかけて、実力を身につけようとしない。
内勤に、仕事をくれくれとモノ乞いし、言われた現場に、たいした目的ももたず、フラフラと赴く。
仕事の取り組み姿勢からもわかるように、自ら、甘んじて、不安定を受け入れている。
こういう人たちに生活力などあるはずもない。
中長期で計画を立てて生きたことがない連中ばかりだから、オレは、特に若い人については、サバイバルゲームから脱出させてやりたいと思ってきた。
昨年4月、オレのもとから出て行き、話し合いを拒んで特警に転じた彼女にもフル稼働と仮払い生活脱出まではやり遂げた…
彼らの意識を変えるため、誰かわかっている人が指南してあげる必要がある。
淳はオレの指南を受け入れた。
彼は、中長期に、人生を見つめて生きている。
「人並みの生活」…彼は意識が高いから、スラムから中流階級へのシフトチェンジに必ず成功する。
恋をしたり、新たな目標を見つけたり…
生活にゆとりを持てば、いろんなことにチャレンジできるようになる。