【地域史】善福寺(杉並区)…寺院と地名の由緒 2022/06/17
曹洞宗 福寿山 善福寺
当寺の由緒について、
古は「浄土宗 無量山 福寿庵」。
「善福寺」を名乗ったのは昭和17年(1942)のこと。
大東亜戦争の最中だ。
享和年間(1801~1804)又は宝永6年(1709)以前は、杉並区今川にある観泉寺持ちの寺院になっていたと考えられている。
『新編武蔵風土記稿』(文政11年・1828年版)の伝承は興味深い。
往時、善福寺池畔には「善福寺」と「満福寺」という2つの寺院があったが、地震で池の水が溢れたため、いずれも廃寺となり、再建されないまま、池に名を残すのみになったという。
風土記にある「善福寺」と現在の「善福寺」との直接の関係を記す資料はないそうだ。
ただし、小庵の頃から承継されている杭には「無量山善福寺福寿庵」と刻印されているので、「善福寺」という名が往時より伝わっていたことがわかる。