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衆議院議員平井卓也 自民党IT戦略特命委員長 特別講演「デジタル・ニッポン2016が目指す未来像」(会計事務所博覧会2016) 2016/10/20

自民党IT戦略特命委員長の平井卓也代議士の基調講演を拝聴するため、「会計事務所博覧会2016」(秋葉原UDX)へ訪問した。
特別講演のタイトルは「デジタル・ニッポン2016が目指す未来像」。
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国会の法案審議は、内閣提出法案を優先して議論し、その後に議員提出法案の順番で議論することが慣例となっている。
内閣提出法案は、各省庁との調整、内閣法制局での法案審査が必要となる。
現在、省庁横断が必要なIT分野の関連法に関し、省庁間、内閣法制局との調整がつかずに、内閣提出法案として提出することができない状態にある。
従って、IT分野は事実上、行政府ではなく、立法府の自民党IT戦略特命委員が推進している。
マイナンバー制度を実質的に決めているのも、平井代議士や福田代議士である。
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本日の基調講演は、昨日、FB公式ページを通じて知ることになった。
10/27に行われるSPI及び講演試験対策や、移転手続等により、日程調整が困難であった。
ただ、個人情報保護に関する分野を専門としている私にとって、「制度を決める人の話」は是非聴かねばならないと判断。
急遽、秋葉原へ向かうことにした。結論から言えば、とても有益であった。
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国は、国家戦略として、IT分野を第4次産業革命と位置づけ、2020年オリンピック・パラリンピックイヤーまでにGDP30兆円を目指している。
マイナンバーカードの普及は現在約1100万人から申請が行われており、2019年度末までに8700万枚を目標としている。
士業者の中で、マイナンバーその他行政手続におけるIT利活用において、最も、その制度の影響を受けるのは、税理士ではなく、社会保険労務士である。
社労士の業務の適用範囲は非常に広く、顧客対象は、法人である。電子申請が普及すれば、行政と企業の直ルートが完成し、社労士の独占業務は食いつぶされてしまう。
フリーの個人事業主も顧客にしている税理士の適用範囲とは相違するのである。
会計士の場合、違法に社労士や税理士の独占分野に着手しているならまだしも(最近、クズ拾いのようなマネをする、食えていない違法会計士が急増している)、たいした影響はない。会計士がIT分野に幅をきかせているのは、ITコーディネータ制度創設等の頃から、会計ソフト関係で、IT=会計士という図式が出来上がっているからに過ぎない。
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横道に逸れたが、話を戻すと、国会IT戦略を決める平井代議士は「税理士・会計事務所でマイナンバーカードを持っていないことはあり得ない」と言い放った。
国の大きな改革として今年から公的個人認証を民間に開放した。
署名検証者についても税理士会や社労士会でもチャレンジ可能。
来年からはマイナポータルも開始される。
我々、士業は、電子証明書による本人確認措置のもと、行政手続にマイナンバーカードを利活用することが求められている。
国は電子政府を目指すことにより、ペーパレスに近づける制度を推進していく。
その第一弾として、保護法改正によるオプトアウト届出は、委員会への電子申請(現在、新たに電子申請を受け付ける体制を整備している)又は光ディスク提出を前提としており、紙媒体の受付は行われない予定である。
マイナポータルは、e-tax、l-taxや、SNS(FBやLINE)も取り込んでいき、まずは医療費控除。ふるさと納税による寄附控除申請手続を実施する。
スマホのSIMカードに電子証明書を搭載し、マイナポータルへのアクセスはQRコードを用いて実現していく。
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個人情報のセキュリティに関し、マイナンバー制度においては、現在、個人番号を含む個人情報を「特定個人情報」とし、厳格な安全管理措置を講じることが要求されている。
無駄なお金と人足をかけて企業は安全管理対策を実施している。
本来であれば、国民総背番号というように、オープン番号として扱い、本人特定をしたいが、世論の反発に配慮し、「特定個人情報」とせざるを得なくなった。
将来は、国民理解を求めつつ、特定個人情報といった腫物を触るような定義を廃止し、オープン番号にしていくつもりである。
また、現在、日本国内から海外に転居した場合、マイナンバーの効力は失効してしまう。
制度開始の時、マイナンバーの付番対象外とされた海外在住者が、海外から日本への送金を行う際、金融機関が受け付けてくれないなど、制度開始から大問題になった。
このような不具合をなくすため、平井代議士は尽力し、海外転居者についても継続利用が可能となるよう法整備が行われる予定である。
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民間の保護法と、自治体独自の保護条例によって、ITの一体化が進まない
これから議員立法として審議予定の官民データ活用推進基本法は、そのような不具合をなくしていくために必要な法律である。
来春施行予定の改正保護法・行保法においては、個人情報のIT利活用においては「保護」に関する制度を定めた。
官民データ活用推進基本法は、まさに「利活用」を定め、改正保護法の「保護」と両輪となる議員立法である。
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最後に、経産省の補助金制度でIT投資の補助が行われる。
平成28年度補正予算「地域未来投資促進事業(サービス等生産性向上 IT 導入支援事業)」の事務局公募について
ものづくり補助金はこれまで製造業を中心に行われていた。
今回、平井代議士など自民党IT戦略特命委員が掛け合った結果、IT分野にも補助が行われることになった。
平成28年補正による補助1000億円のうち100億円が総枠になる。
期間は年度末までの期間で、予算が無くなり次第終了される。
最低ラインは30万円以上の投資に対して行われる。
最低ラインの内訳は
自己負担10万円
補助金30万円
※投資額2/3は補助金、1/3は自己投資
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