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【番号利用法】クラウド保管は個人番号関係事務ではない(某団体が作成したマイナンバー業務委託契約書雛型のミスリードについて)【マイナンバー制度】 2015/08/27

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【アルバム】社会保険労務士 松本祐徳 メディア実績(2013~)

著書『図解とQ&Aですっきりわかるマイナンバーのしくみ』(宝島社)=33,000部=トーハン調べ2015/11/4週間ベストセラー単行本ビジネス書6位
共著『入門 マイナンバーの落とし穴ー日本一わかりやすい解説』(毎日新聞出版)=10,000部
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『週刊エコノミスト 2018年7月17日号』(毎日新聞出版)2018年7月9日発売「特集:変わる!労働法」最大枠2テーマ3頁寄稿

『週刊エコノミスト 2018年2月20日号』(毎日新聞出版)2018年2月13日発売「特集:みんなの労働法」最大枠2テーマ5頁寄稿

『週刊エコノミスト 2015年9月15日特大号』(毎日新聞出版)2015年9月7日発売「特集:マイナンバーがやって来る!」最大枠5頁寄稿

講演

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東京都知事小池百合子さんにテレビで紹介されました!

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クラウド事業者が『個人番号関係事務実施者』であると位置付け、マイナンバー対応の業務委託契約書にクラウド事業者を許諾か必要な再委託先と位置付けた雛形が、事もあろうに、マイナンバーの影響をもろに受ける社労士の団体組織全国社会保険労務士会、それを会報10月号で取り上げる東京会から発信されている。
これは完全なミスリードです。法律を看板にして飯を食う社労士、その社労士を包括する団体が、法律の解釈ミスを放置したままにしているのは致命的です。みっともない(会員の地位を貶める)ので一日も早く取り下げて欲しいです。
実際に業界は混乱し、私の講演で最も質問の多い事案です。
なお、クラウドベンダーが労働社会保険事務に係る個人番号関係事務を処理すれば、社労士法違反です。

 

(再委託)
第十条  個人番号利用事務又は個人番号関係事務(以下「個人番号利用事務等」という。)の全部又は一部の委託を受けた者は、当該個人番号利用事務等の委託をした者の許諾を得た場合に限り、その全部又は一部の再委託をすることができる

 

上記は番号利用法の個人番号利用事務等の再委託の条文である。
『その全部又は一部の再委託をすることができる。』の『その』は、小学生でもわかりますが、個人番号利用事務等を指します。
個人番号利用事務とは国や地方公共団体などの機関が行う社会保障、税、災害対策に限定された事務のことである。
また、個人番号関係事務とは、個人番号利用事務実施者である国や地方公共団体などの機関が作成した様式の届出書類に、個人番号関係事務実施者である事業者等がマイナンバーを記載して提出する事務をいう。
したがって、マイナンバー保管専門のクラウド事業者は個人番号関係事務の再委託先ではない。
預けたマイナンバーを使い、社会保障、税、災害対策分野の事務をしない。単なる保管先であるゆえ、保管契約の対象である。
特定個人情報保護委員会のホームページのFAQ3-12にも、保管は個人番号関係事務の再委託先ではないと明記している。

Q3-12         特定個人情報を取り扱う情報システムにクラウドサービス契約のように外部の事業者を活用している場合、番号法上の委託に該当しますか。

A3-12         当該事業者が当該契約内容を履行するに当たって個人番号をその内容に含む電子データを取り扱うのかどうかが基準となります。当該事業者が個人番号をその内容に含む電子データを取り扱わない場合には、そもそも、個人番号関係事務又は個人番号利用事務の全部又は一部の委託を受けたとみることはできませんので、番号法上の委託には該当しません。

当該事業者が個人番号をその内容に含む電子データを取り扱わない場合とは、契約条項によって当該事業者が個人番号をその内容に含む電子データを取り扱わない旨が定められており、適切にアクセス制御を行っている場合等が考えられます。(平成27年4月更新・Q9-2に分割)

 

最後に、保管専門業務が再委託先ならば、宅配業者や郵便はどうなのですか?
郵便を使い、100社のマイナンバーを発送するなら、委託者(企業100社)との委託契約書に再委託先として郵政を指定し契約に調印させるつもりなのか。
その団体は、訂正しないようだが、マイナンバーを扱う全国の事業者にウィルスを散布し、ミスリードし、迷惑をかけているにほかならない。非常に迷惑な話です。