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北朝鮮拉致の工作機関③ 2015/06/05

NHKへの制作協力=真木よう子ナビゲート NHK BS ”アナザーストーリーズ~運命の分岐点~”第2クール第1回放送「大韓航空機事件」
http://nihombashi-sr.com/2016politics

 

【拉致問題第三弾】
朝鮮労働党の工作機関「対外情報調査部」所属で辛光洙の上司である金世鎬と政府認定第1号の拉致被害者である久米裕さんの拉致事件について。

久米裕さん=失踪当時52歳、西東京市(保谷)在住、三鷹市役所警備員=は昭和52(1977)年9月19日、石川県鳳至郡能都町宇出津海岸より拉致された。

田無のサラ金(バタヤ=産廃と同じく在日家業)で在日朝鮮人の李秋吉は、昭和48年夏頃から「吉岡」と名乗る工作員(主犯格の金世鎬)に接触し、スパイ教育を受け、在日米軍基地や自衛隊基地関連の情報なども収集していた。「吉岡」は「南北統一事業に協力してください。そうしたら北朝鮮にいる病気の妹さんを助けてあげることができます」と持ち掛け李を強請っていたのだ。

李はサラ金の客である久米さんを北朝鮮へ引き渡すため、宇出津海岸への旅行に誘いだした。
宿泊先にて、久米さんは旅館の女将に「海岸に散歩に行く」と言って李と外出した。

拉致当日、警察は極秘裏に電波傍受で北朝鮮工作船の動向を監視しており、石川県警は工作船が近海まで来ているという連絡を警察庁から受け警戒態勢をとっていたにも限らず、拉致実行犯を取り逃がし、久米さんを拉致されてしまう。

拉致現場では、北朝鮮の工作船からは「吉岡」「張本」ら3名が不法入国。
李は引き渡す前に、工作船か否かを確認するために小石を3回鳴らした上、「張本さん」と呼んで工作員と接触。
久米さんを引き渡し、旅館に1人で戻った。

旅館の女将は、久米さんと李が夕食時全く会話がなく、真暗な入江となっている海岸に散歩に行くと出かけたのを不思議に思い、二人の外出中、部屋に入って久米さんが残した背広のネームを見て、宿帳とは違う「久米」という名前を確認していた。女将は李が1人で帰ってきたことを不審に思い警察に通報した。

李は取り調べに対し、次のようなきっかけで全面自供する。
1人で部屋に戻った李は、久米さんの背広を点検し、ネームをちぎって焼き捨てていた。女将から背広のネームについて聴取していた石川県警の取調官は、李に「久米さん」という名前をふと漏らし反応を探った。久米という名前を警察が知るはずないと考えた李は、工作船が捕まったのかと観念し、「工作船で不法入国した『吉岡』と名乗る北朝鮮工作員が現れ、北朝鮮に帰国している妹の手紙などを持参し協力を迫られた。協力しないと妹に危険が及ぶと考え工作員の手下となり、深夜ラジオ放送で数字の暗号の解読法を習得後、次のような命令を受けた。『自分が日本人に成り済ますという指令が出ている。自分と年格好が似ている52から53歳の日本人男性で身寄りのない者を捜せ。頭の程度は問わない』。そこで、お客の中で久米さんがよいと考え報告したところ、『戸籍謄本を取らせて9月19日夜、能登町宇出津の海岸で待っている工作員に引き渡せ』と指令され、金に困っていた久米さんに密貿易を手伝わないかと騙して、戸籍謄本を取らせて宇出津海岸まで連れて行き、昨夜、海岸で待っていた北朝鮮の工作員に久米さんを渡した」と自白。
李の自宅の植木鉢の下から乱数表、暗号解読表等が押収されたが、警察は傍受した暗号電波の解析を韓国当局に依頼した結果、「ニガサナイヨウウマクツレテコイ」という指示だったことが判明した。

李は「出国時の意思」を久米さんから確認できないことを理由に起訴を見送られ、外国人登録法違反でも不処分で釈放された。
「本人の意思に反して北朝鮮に連れて行かれたものと判断するに至っていない」云々。

毎度のように国会で寝惚けた答弁がおこなわれていた当時を思い出します。
当時の政府が冷戦下の外交摩擦を懸念して弱腰になり厄介払いしたか、何か他の政治力でも働いたとした言いようがない。

警視庁は事件発生から25年以上経過した小泉純一郎政権下の03年1月9日、主犯格として国外移送目的略取容疑で吉岡こと、北朝鮮幹部工作員の金世鎬(74)を国際刑事警察機構(ICPO)を通じ国際手配(拉致事件で工作員を手配したのは初めて)。
金は日本人拉致や対韓国工作を任務とする朝鮮労働党対外情報調査部に所属する上級幹部。
77年から81年にかけ6回、機械や農産物等を扱う商社員の肩書で、駐マレーシア大使館員で、工作員の司令塔の一人・姜載連(カン・チェリョン)2等書記官と同行し貿易代表団員として来日を繰り返していた(マレーシア大使館はアジア工作の中枢)。

金世鎬は朝鮮労働党の工作機関「対外情報調査部」所属で辛光洙の上司にあたる北朝鮮工作員。
田口さん拉致の直前に宮本明こと在日朝鮮人の李京雨とも接触しており、田口さん拉致事件への関与も指摘されている。
また、李京雨とマレーシアで接触し、西新井事件では「なり済まし小住健蔵」こと朴=蓮池薫さん・祐木子さん拉致実行犯の一人崔スンチョルに指令を出していた姜載連は、田口八重子さんが失跡した当日、貿易代表団の一員として来日していたが、予定を早め、マレーシアに出国していたことが警察当局の調べで判明している。

朴=崔の補助工作員として江口智こと金錫斗が有名であるが、李京雨は朴=崔の配下の一人であり、東京都内のアパートを借りる際、保証人になっていたことが明らかになっている。
李京雨こそ、日本に潜入した北朝鮮工作員の国内での活動を人的面や資金面で手助けする「補助工作員」の一人であり、元締め的な任務を果たしていたと言えよう。

北朝鮮側は「入国未確認」と拉致を否定。

cf.拉致問題
【第一弾】大韓航空機事件・在日補助工作員・西新井事件(2013/9/20 12:53)
【第二弾】辛光洙(2013/9/22 0:04)

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