講演

4:40に入店したが、30分経過してもネギチャーシューめんが提供されない。
過去に30分及び40分提供されなかったこともあるが、もう、うんざり。
この間、アベックに提供すべき焼酎グラスを落下させてしまい、伊藤さんが歩くたびに厨房の床はバリバリ音をたてているし。
あ、伊藤さんが滑り出した。
滑り出しながら、俺のどんぶりにネギチャーシューを投入している･･･
どんぶりを持とうにも、ズルズル滑ってしまい、遂には、どんぶりに自らの手を突っ込んでしまった。
「あー、こんなの食えないよ」
そう思っていると、今度は滑り落ちそうな自らの体を支えようとしながら、右肘でどんぶりを押してしまい、スープが大地震で揺れたように「ビシャ」っと溢れ出てしまった。
なんとか、カウンターにどんぶりを置いたが、伊藤さんは遂に崩れ落ちて市内、流し台の脚の中に両足を潜らせて、地面にうつぶせてしまった･･･
「割れたガラスが身体に刺さって大けがするぞ！」
遂に、俺もアベックも立ち上がり「伊藤さん、大丈夫ですか？」と大騒ぎになった。
アベックの片割れ（女子）が、彼氏の指示で119番に通報。
俺は厨房に入って、伊藤さんがガラスで怪我しないようにサポートした。
しかし、足に力が入らない人間を持ち上げることはできなかった。
火もとは全て消した。
伊藤さんは「救急車は呼ぶな」「松本さん、ラーメン食べてくれ」と叫ぶ。
こんな事態の中でラーメンは食べれないし、どんぶりに手を突っ込み、どんぶりからスープを溢れさせたようなラーメンも食べないよ･･･
写真はノビノビのネギチャーシューめん

5:22、救急車が到着。
アベックはレスキュー隊員が到着するのを確認して、俺に2000円を預けて店を出た。
焼酎３杯2000円もしない･･･

レスキュー隊員が５分かけて、伊藤さんを救出し、カウンターの椅子に座らせて、血圧等の検査を行った。
結論から言うと、伊藤さんは、俺が来るまでに、焼酎10杯飲んでおり、ベロンベロンに泥酔していた模様。
そして足腰に力が入らなくなってしまい、志半ば、ネギチャーシューめんを提供できず、”倒壊”したということ。
伊藤さんの意識がしっかりしていることを確認して、レスキュー隊員は店を出た。
俺も、伊藤さんに、アベックのお代2000円を渡し、隊員を見送ってから店を出た。
入店して55分、何も食えずに･･･
クタクタです。