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【日常】割り切りのための冷却期間 2022/01/09

ひとりの人間のポテンシャルを見透かして得られた結論


現在40歳のとある男X氏。
妻、10歳児、修学前の子供との4人家族の世代主で、月々の返済額17万円の住宅ローンをあと30年も残している。
ちなみに、会社員時代、お金はありったけ使い放題で、ろくに貯金もしてこなかったそうだ。


X氏は2年前、役員コースを歩んでいた会社を辞めた。
離職理由は「遊戯業界のコンサルティング会社起業のため」。
だが「国の法規制強化と、離職直後に襲ったコロナ危機で遊戯業界は大不況になり、起業構想は頓挫した」と本人は言っている。


X氏は一昨年の梅雨時から、1年契約で、ある遊戯業界の企業の社外コンサルタントに就任し、契約満了後、生活困窮して警備業界にやって来た。


現在、警備員生活が半年を経過した。


「社会保険に加入すると、再就職先に警備員をやっていたことがバレてしまう」


警備員経験が転職の際、不利になる(ホワイトカラーのオファーがなくなる)ことをオレから教わったX氏は、今現在も社会保険未加入を押し通していると、別の隊員から伝え聞いた。
もちろん、この行為はバレたら罪に問われる可能性がある重大な違法行為である。
オレは社労士だから、X氏に対して、オレから社会保険の適用逃れをアドバイスすることは絶対にない(X氏も適用を逃れていることをオレには隠している)。


X氏は警備員になってからの半年間、転職活動をしており、成長企業複数社から内定をとり、かつての会社会長からのコネで、総理大臣経験者の秘書にも内定した。


だが、X氏は「サラリーマンには戻りたくない」と言って、全ての内定を蹴った。


X氏は、12月前半、盲腸で緊急手術を受けた。
約1週間で退院したが、術部から細菌が入り発熱が引かず、年内はずっと休んでいた。


上記は、X氏の会社員を辞めてから今日までの経歴やライフステージを記したものだが、盲腸から退院後のX氏の様子を見ていて、オレは彼の生き方や姿勢に疑問を抱くようになった。


【オレのプロファイリング】


結論を言えば、単なる怠け者だ。
無気力で、何もしたくないのだ。
無気力の原因は、過度のプレッシャーに負けたこと。
プレッシャーをかけたのは、在籍していた会社、奥さん、生活苦(ローン)だ。


①2年前、エリート街道まっしぐらだった会社を辞めたのは、コンサルタント会社起業のためというのは建前だ。
サラリーマンを続けて行くのが嫌になったからだ。
開業資金も持たないのに、無計画な起業なんてあり得ないからだ。


②コロナ不況による遊戯業界の低迷が起業断念の理由と言っているが、企業は不況のときこそ、優秀な人材を欲しがるもの。
正確には精一杯営業活動した結果、契約は1社のみ、低報酬の契約。
その会社から契約を更新して貰えず1年で切られた。
要するに、コロナに関係なく、遊戯業界には彼の能力に対するニーズがないのだ。
もし、なんとかなると思って会社を辞めたのなら、彼の見通しが甘すぎた(起業を舐めていた)のだ。


③身の丈に合わない生活を強引に求めてきた奥さんに対する反発。
たかだか年収700万円程度の人間が、月々17万円ものローン返済ノルマを抱えながら、これからお金がかかって行く子供2人を育てて行くのにはあまりにもムリがある。
しかも、返済年齢は70歳で、定年退職を考えたら、債務不履行になる危険性が極めて高い。
そんな負担を抱えながら、あと30年も生きて行かねばならないことを考えたら、人生に嫌気がさし、真面目にやって行くのが馬鹿馬鹿しくなったのではないか?


オレのプロファイリングが上記①~③に至ったのは、盲腸から退院した後の彼の姿勢を見ていると、生活費を稼げないことに対する危機意識が全く見られなかったからだ。
家族を路頭に迷わせているのにへっちゃらだ。
当たり前だが、加藤班に穴を空け続けていることに対して責任意識はゼロ。
ただの無責任な甲斐性なしだ。


昨年12月前半から、彼が加藤班を休むようになった。
彼が居なくても、オレは楽勝で現場を回せる。
ただし、持ち班なのに現場が安定しない状態を長々と作られたことに対して大きな不満があり、本人にも、責任ある者からすれば当たり前の常識論を言わせてもらった。
責任意識を感じない態度を見るにつけ「こいつは、なるべくして今の姿(警備員)になった。他の警備員と同じく無責任な人間だ」と思うようになった。


もう彼とは1か月以上会っていない。


オレ自身のGにおける意識変化にも大きな影響を与えた。


①G社内では、内勤オンリー


②警備員としては顧客志向を貫く(ソロ活動中心で、指名客を増やすだけだ)


③隊員のレベルは、そこら辺にいるサラリーマン崩れの隊員、アルバイト感覚の隊員、犯罪者崩れの隊員、借金漬けの隊員、公私混同甚だしい淫行目当ての隊員、発達障害や精神異常者の隊員など、それぞれ違いはあるが、どれもこれも無責任野郎、不甲斐ない野郎しかいないことに相違はない。
だから、もう、深入りするのはごめんだ。
現場では、やって来た隊員を「不自由な人間」くらいに考えてテキトーに合わせて警備を成立させ、仕事が終わればさっさと帰るだけだ。


斯くして、オレが冷めて行ったことは大きな利益になった。
ムダなものにエネルギーを費やしたくない。
割り切るための冷却期間がとれたことは、これからのことを考えたら、オレには大きなメリットになったはずだ。