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【平成26年個人情報保護委員会告示第4号】4-3. 特定個人情報の移転【マイナンバー制度 第8章特定個人情報保護評価】 2015/01/04

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特定個人情報の移転

① 「移転」とは、「利用」行為の区分として、特定個人情報保護評価のため委員会が定めた造語である。指針では「評価実施機関内において、特定個人情報ファイルに記録された特定個人情報を特定個人情報保護評価の対象となる事務以外の事務を処理する者の使用に供することを移転という。一方、特定個人情報の提供とは、特定個人情報を評価実施機関以外の者に供与することをいう。」と定義されている。

これまでも別の項で取り上げてきたように、「法的な人格を超えず特定個人情報が移動すること」を「利用」といい、「法的な人格を超えて特定個人情報が移動すること」を「提供」と定義されているが、考え方は同じである。

事業者に当てはめて事例を挙げると、「同一法人格内の営業部に所属する従業員等の個人番号が、営業部庶務課を通じ、給与所得の源泉徴収票を作成する目的で経理部に提出された」場合、法令で認められた「利用」(移転)に該当する。

地方公共団体の場合、同一地方公共団体内の同一機関の別の事務に特定個人情報が移動する行為を「利用」(移転)といい、同一地方公共団体内の他の機関に特定個人情報が移動する行為を「提供」という。なお、地方公共団体を跨いで別の地方公共団体に特定個人情報が移動する行為を「提供」という。

番号利用法は「機関単位」の規制を想定しており、留意すべき点は、個人番号を含まない個人情報を移動した場合においても、移動先で当該個人情報が個人番号と紐付けて利用されるケースが想定される点である。この場合において、当該個人情報の移動は「特定個人情報の移転」として扱われる。

② 指針の参考例に、言葉を補足した事例。

ある地方公共団体において、住民税事務で保有する個人番号を含まない地方税情報について、宛名番号と紐付けて、同一機関内の国民年金事務に渡すことになっている。国民年金事務においては、宛名番号を通じて宛名システムにアクセスし、個人番号を参照することになっている。地方税情報は、宛名番号を通じて個人番号と紐付くため、住民税事務において地方税情報を国民年金事務に渡す行為は、特定個人情報の移転に該当する。
住民税事務で保有する個人番号を含まない地方税情報について、宛名番号と紐付けて、宛名システムに渡すことになっているが、宛名システムにおいて、地方税情報が個人番号と紐付くことになる。同一機関内の国民年金事務においては、宛名番号を通じて宛名システムにアクセスし、地方税情報を入手する。地方税情報は宛名システムにおいて個人番号と紐付くため、住民税事務において地方税情報を宛名システムに渡す行為は、特定個人情報の移転に該当する。
手作業処理用ファイルのみを扱う事務で、住民基本台帳システム端末を使用し、個人番号を検索キーとして4情報等の検索・確認を行う場合について。

イ 手作業処理用ファイルのみを扱う事務を含め、住基システム端末を使用し、個人番号を検索キーとして住民票情報を閲覧することは、個人番号を利用して住基システム内の特定個人情報を使用することになるので、住民基本台帳に関する事務から当該事務への特定個人情報の移転に当たる。また、個人番号を検索キーとして使用しなくても、閲覧した情報が当該事務において個人番号と紐付けて使用されるのであれば、これも特定個人情報の移転に該当する。

ロ 当該事務を実施する部署は、住民基本台帳に関する事務における特定個人情報保護評価書の「移転先」として記載する必要がある。

ハ 住基システム端末を使用する者は、住民基本台帳に関する事務において保有する特定個人情報ファイルにアクセスできることから、住民基本台帳に関する事務のしきい値判断における取扱者数にも含まれる。

ニ 当該事務における特定個人情報保護評価は、手作業処理用ファイルのみとなるため義務付けられない。ただし、別表第1に掲げる個人番号利用事務のうち、別表第2に掲げる情報提供ネットワークシステムを用いて特定個人情報の照会・提供を行う事務については、情報連携を行うために中間サーバーにその事務で取り扱う情報の副本を格納し、中間サーバー内において当該情報と符号(個人番号)が紐付くことから、システム用ファイルを保有することになるため、手作業処理用ファイルのみを取り扱う事務とはいえず、対象人数が1,000人未満の場合等を除き、特定個人情報保護評価が義務付けられる。