【個人情報保護法第16条第3項第1号】利用目的による制限の適用除外(法令に基づく場合) 2015/04/04
法令解説ブログバックナンバーリスト(個人情報保護法・マイナンバー法・ストレスチェック制度・議員秘書規則・女性活躍推進法)
個人情報保護規程(マイナンバー法・ストレスチェック網羅版)
5. 利用目的による制限の適用除外
保護法第16条第3項
前2項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。 ① 法令に基づく場合 ② 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。 ③ 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。 ④ 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。 |
第1号 法令に基づく場合
法令に基づき個人情報を取り扱う場合は、保護法第16条第1項及び第2項の規定の適用を除外し、あらかじめ本人の同意を得なくても、当初の特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱うことができる。
強制力を伴う法令の規定の事例【保護法ガイドライン】
① | 刑事訴訟法第218条(令状による捜査) |
② | 少年法第6条の5(令状による触法少年の調査) |
③ | 所得税法第234条(所得税に係る税務職員の質問検査権) |
④ | 地方税法第72条の7(事業税に係る徴税吏員の質問検査権)※その他各種税法に類似の規定あり |
⑤ | 金融商品取引法第211条により裁判所許可状に基づいて証券取引等監視委員会の職員が行う犯則事件の調査への対応 |
⑥ | 犯罪による収益の移転防止に関する法律第9条第1項に基づく特定事業者による疑わしい取引の届出 |
⑦ | 児童虐待の防止等に関する法律第6条第1項に基づく児童虐待に係る通告 |
⑧ | 所得税法第225条第1項等による税務署長に対する支払調書等の提出 |
⑨ | 統計法第13条による国勢調査などの基幹統計調査に対する報告 |
強制力を伴わないが法令に根拠がある規定の事例【保護法ガイドライン】
① | 刑事訴訟法第197条第2項(捜査に必要な取調べ) |
② | 少年法第6条の4(触法少年の調査に必要な質問や調査関係事項照会等) |
③ | 弁護士法第23条の2(弁護士会からの照会)※提供に当たっては、同照会制度の目的に則した必要性と合理性が認められるかを考慮する必要がある |
④ | 金融商品取引法第210条により証券取引等監視委員会の職員が行う犯則事件の調査への対応 |
⑤ | 刑事訴訟法第507条による裁判執行関係事項照会への対応 |
⑥ | 刑事訴訟法第279条、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第24条第3項による裁判所からの照会への対応 |
⑦ | 民事訴訟法第186条、第226条、家事審判規則第8条による裁判所からの文書送付や調査の嘱託への対応 |
⑧ | 家事審判規則第7条の2に基づく家庭裁判所調査官による事実の調査への対応 |
⑨ | 犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律第28条による検察官や被害回復事務管理人からの照会への対応 |
⑩ | 会社法第381条第3項による親会社の監査役の子会社に対する調査への対応 |
⑪ | 会社法第396条及び証券取引法第193条の2の規定に基づく財務諸表監査への対応 |
⑫ | 製造・輸入事業者が、消費生活用製品安全法第39条第1項の規定による命令(危害防止命令)を受けて製品の回収等の措置をとる際に、販売事業者が、同法第38条第3項の規定に基づき製品の購入者等の情報を製造・輸入事業者に提供する場合 |
⑬ | 統計法第30条及び第31条による国勢調査などの基幹統計調査に関する協力要請への対応 |