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業務災害の認定基準について 2014/10/07

Q.自動車修理工である被災労働者Aは、日直勤務にあたっていたため、事業所の定休日にもかかわらず定時出勤し、先月来修理せずにあった車の修理に着手した。故障個所(変速機及びラジエーター)の修理を完了したが、定休日のため運転手が不在で試運転ができないため、日直職員の許可を得て無免許にかかわらず車を運転し、途中道路下に転落死亡した。

本件は、業務上の災害であるか?

 

A.業務災害に該当(昭和23.1.15基発51号)

「日直職員の許可を得て」いるので業務に起因した事故でありであり、「日直勤務にあたっていたため、事業所の定休日にもかかわらず定時出勤」していたので業務遂行性も認められます。

 

労災保険法上の業務災害とは、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡を言います。

 

「業務上の疾病」の構成要素は、業務起因性と、その前提としての業務遂行性の2つからなります。勿論、業務遂行性があるからといって、必ずしも業務起因性があるとは言えません。業務遂行性とは「労働者が労働契約に基づいて事業主の支配管理下にある状態」と定義されますが、例えば、休憩時間や就業前後は実際に仕事をしているわけではないので行為そのものは私的行為です。この場合、私的な行為によって発生した災害は業務災害とは認められません。

 

業務災害に係る労災認定には、業務と疾病の間に相当因果関係(業務と発症原因との間及び発症原因と疾病との間に二重に有する因果関係)が成立しなければなりません。

 

また、業務との関連性がある疾病であっても、労働基準法施行規則第35条で定める「労働基準法施行規則別表第1の2(第1号から第11号)」に該当しなければ、業務上の疾病とは認められません(労災法7条1項1号、労基法75条1項及び2項、労基則35条及び則36条並びに則別表第1の2)。