ブログ

カテゴリ

アーカイブ

従業員の自転車通勤のリスクとその対応について1 2014/09/29

社会保険労務士松本力事務所HPトップ

メディア実績

講演・企業研修実績(抜粋)

法令解説ブログバックナンバーリスト(個人情報保護法・マイナンバー法・ストレスチェック制度・議員秘書規則・女性活躍推進法)

FB公式ページ

20160308_122600

個人情報保護規程(マイナンバー法・ストレスチェック網羅版)
20160328_102641
従業員(パート・アルバイト等を含む)の自転車通勤を承認している事業主の皆様におかれましては、自転車事故によるリスク対策はお取りになっていらっしゃいますか?中には、個人の自転車を営業周りで使用しているケース等も見受けられます。

自動車のケースにおきましては、通勤途上で発生するおそれのある自動車事故により、会社も損害賠償責任を負う可能性が否定できないため、「マイカー通勤禁止」とする会社のほか、内規に「マイカー通勤許可基準」を設け、対人補償無制限の保険に加入し、加入の事実確認後、使用を許可する会社は多く見られます。

 

【自転車事故による賠償金命令(例)】

  • 自転車 対 歩行者(67歳女性・意識不明のまま)

前方不注視 ヘルメット未着用

地裁判決=賠償金9,500万円

  • 自転車 対 歩行者(看護師・歩行困難・失職)

携帯操作中 無灯火

地裁判決=賠償金5,000万円

  • 自転車 対 歩行者(短大非常勤講師)

無灯火

地裁判決=賠償金2,500万円

 

と、自転車事故におきましても、賠償金額が相当な金額になるケースも出ていますので「自転車事故は自動車事故と比較して負傷の程度等は重くない」と考えられない状況です。

対物・対人に係る自動車の任意保険の加入率は73.1%(日本損害保険協会「自動車保険都道府県別加入率(2012年3月末)」)。ただし、自動車共済加入者を除く)ですが、自転車の加入率は、国内総保有台数約8,000万台に対し20%程度(日本サイクリング協会)のようです。賠償金額が高くなればなるほど、リスクも甚大になります。

 

会社としては、従業員に対して、通勤災害に係る労災保険の仕組みを周知し、通勤の合理的経路の考え方、逸脱・中断による労災不認定のリスクについて理解させることはもとより、自転車通勤規程を策定し、賠償可能な保険への加入、危険運転防止、駐輪場の確保等を義務付ける必要があります。