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【労働基準法第12条】平均賃金 2016/03/31

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2. 平均賃金

第12

この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は、次の各号の一によつて計算した金額を下つてはならない。

① 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60

② 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額の合算額

第2項

前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する。

第3項

前2項に規定する期間中に、次の各号のいずれかに該当する期間がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、前2項の期間及び賃金の総額から控除する。

① 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間

② 産前産後の女性が第65条の規定によつて休業した期間

③ 使用者の責めに帰すべき事由によつて休業した期間

④ 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 (平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業又は同条第2号に規定する介護休業(同法第61条第3項 (同条第6項 において準用する場合を含む。)に規定する介護をするための休業を含む。第39条第8項において同じ。)をした期間

⑤ 試みの使用期間

第4項

第1項の賃金の総額には、臨時に支払われた賃金及び3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金並びに通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないものは算入しない。

第5項

賃金が通貨以外のもので支払われる場合、第1項の賃金の総額に算入すべきものの範囲及び評価に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第6項

雇入後3箇月に満たない者については、第1項の期間は、雇入後の期間とする。

第7項

日日雇い入れられる者については、その従事する事業又は職業について、厚生労働大臣の定める金額を平均賃金とする。

第8項

第1項乃至第6項によつて算定し得ない場合の平均賃金は、厚生労働大臣の定めるところによる。

 

問1

労働基準法第20条の規定に基づき、解雇の予告に代えて支払われる平均賃金(解雇予告手当)を算定する場合における算定すべき事由の発生した日は、労働者に解雇の通告をした日である。(H16-3A)

 

問2

労働者に対して20日後に解雇する旨の予告をする場合には平均賃金の10日分以上の手当を支払う必要があるが、この場合の平均賃金を算定すべき事由の発生日は、解雇する旨の予告をしてから20日後の日である。(H5-2E)

 

問3

災害補償を行う場合には、死傷の原因たる事故発生の日又は診断によって疾病の発生が確定した日を、平均賃金を算定すべき事由の発生した日とする。(なし)

 

問4

減給の制裁に関し平均賃金を算定すべき事由の発生した日とは、減給の意思表示が相手方に到達した日である。(H11-1C)

 

問5

労働基準法第91条に規定する減給の制裁に関し、平均賃金を算定すべき事由の発生した日は、減給の制裁の事由が発生した日でなく、減給の制裁の意思表示が相手方に到達した日である。(H17-7E)

 

問6

2暦日にわたる勤務を行う労働者の場合、一昼夜交替勤務のごとく一勤務が明らかに2日の労働と解される場合を除き、勤務の2暦日目に平均賃金の算定事由が発生した場合においては、始業時刻の属する日に事由が発生したものとして取り扱う。(なし)

 

問7

労働者が2事業場で使用され、両事業場の使用者からそれぞれ賃金を支払われている場合の「賃金の総額」とは、両使用者から支払われた賃金の合計額をいう。(なし)

 

問8

労働基準法において、平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前1年間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。(H6-2C)

 

問9

平均賃金は、原則としてこれを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算定するものとされており、その期間は、賃金締切日がある場合においては直前の賃金締切日から起算することとされているが、雇入後3か月未満の労働者の平均賃金を算定する場合には、原則的な計算期間の3か月に満たない短期間であるので、賃金締切日の有無にかかわらずすべて算定事由発生日以前雇入後の全期間について計算することとされている。(H14-3B)

 

問10

平均賃金は、賃金締切日がある場合については、原則として、算定すべき事由の発生した日の直前の賃金締切日から起算した算定期間について計算するが、賃金が出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金締切日の有無にかかわらず、算定すべき事由の発生した日から起算した算定期間について計算する。(H4-6E)

 

問11

雇入れ後3箇月に満たない者の平均賃金の算定に当たり、賃金締切日がある場合には、直前の賃金締切日から起算する。(S63-7E)

 

問12

平均賃金は、原則として、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除して算定するものとされているが、賃金がいわゆるパートタイマーに多くみられるように労働した時間によって算定される場合には、その金額は、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60を下ってはならないこととされている。(H19-3A)

 

問13

平均賃金の計算においては、業務災害又は通勤災害により療養のために休業した期間、産前産後の女性が労働基準法の規定によって休業した期間、使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間、育児・介護休業法の規定によって育児休業又は介護休業をした期間及び試みの使用期間については、その日数及びその期間中の賃金を控除する。(H13-3B)

 

問14

平均賃金の計算においては、業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間、産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間、使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(「育児介護休業法」という。)の規定によって育児休業若しくは介護休業をした期間又は子の看護休暇を取得した期間及び試みの使用期間については、その日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から控除する。(H19-3B)

 

問15

使用者が、所定労働時間のうち一部を休業とした場合については、その日及びその日の賃金は、平均賃金の算定期間及び賃金の総額のそれぞれから控除する。(S63-7A)

 

問16

年次有給休暇の日数及びその日の賃金は、平均賃金の算定期間及び賃金の総額のそれぞれから控除する。(S63-7B)

 

問17

平均賃金を算定する際には、年次有給休暇日に支払われた賃金及びその休暇日数を、平均賃金を算定する事由の発生した日以前3か月間の賃金総額及びその期間の総日数から控除しなければならない。(H5-5B)

 

問18

平均賃金の算定期間の全部が組合専従のための休業期間であるときは、組合専従のため休業した最初の日をもって、平均賃金を算定すべき事由の発生した日とみなして算定する。(S63-7D)

 

問19

平均賃金の計算においては、正当な争議行為により休業を余儀なくされた期間については、その日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から控除する。(なし)

 

問20

平均賃金の算定に当たって、各4半期ごとに支払われる賞与は、平均賃金の算定の基礎となる賃金総額に算入しなければならない。(なし)

 

問21

使用者が、通勤手当の代わりとして、6か月ごとに通勤定期乗車券を購入し、これを労働者に支給している場合、通勤手当は賃金ではあるが、6か月ごとに支給される通勤定期乗車券は、労働基準法第12条第4項に定める「3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当するので、平均賃金算定の基礎となる賃金には算入されない。(H17-1D)

 

問22

年俸制の適用を受ける労働者に対して、あらかじめ額が確定している年俸額の一部を賞与として年2回支給している場合、当該賞与として支払われている賃金は「臨時に支払われた賃金」及び「3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」のいずれにも該当しないものであるから、平均賃金の算定基礎から控除できない。この場合において、賞与部分を含めた年俸額の12分の1を1箇月の賃金として平均賃金を算定する。(なし)

 

問23

日日雇い入れられる者については、その従事する事業又は職業について、厚生労働大臣の定める金額を平均賃金とすることとされているが、例えば、算定事由発生日以前1箇月間に日雇労働者がその事業場において使用された期間がある場合には、その期間中に当該日雇労働者が当該事業場において労働した日数で除して得た金額の73%が当該日雇労働者の平均賃金となる。(なし)

 

問24

試の使用期間中に平均賃金を算定すべき事由が発生した場合においては、その期間中の日数及びその期間中の賃金は、平均賃金の算定期間及び賃金の総額のそれぞれに算入する。(S63-7C)

 

問25

定年退職後再雇用され、再雇用後3箇月に満たない労働者の平均賃金は、退職前の期間をも通算して算定する。(なし)

 

解答

問1 ○ 法12条1項、昭和39.6.12基収2316号

解雇の予告をした後において、当該労働者の同意を得て解雇日を変更した場合においても、平均賃金の算定事由発生日は、当初の解雇を予告した日である。

問2 × 法12条1項、法20条2項、昭和39.6.12基収2316号

平均賃金を算定すべき事由の発生した日

解雇予告手当 解雇を通告した日
休業手当 使用者の責に帰すべき休業をさせた日(休業が2日以上にわたる場合は、その最初の日)
年次有給休暇中の賃金 年次有給休暇を与えた日(年次有給休暇が2日以上にわたる場合は、その最初の日)
災害補償 死傷の原因たる事故発生の日又は診断によって疾病の発生が確定した日
減給の制裁の制限額 制裁の意思表示が労働者に到達した日

問3 ○ 法12条1項、則48条、昭和25.10.19基収2908号

問4 ○ 法12条1項、法91条、昭和30.7.19 29基収5875号

問5 ○ 法12条1項、法91条、昭和30.7.19 29基収5875号

問6 ○ 法12条1項、昭和45.5.14基発374号

問7 × 法12条1項、昭和28.10.2基収3048号

設問の場合の賃金総額は、算定事由の発生した事業場で支払われた賃金のみをいう。

問8 × 法12条1項

平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。ただし、その金額は次のいずれかによって計算した金額を下ってはならない。

① 賃金が、労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の100分の60(最低保障)

② 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と①の金額の合算額

なお、平均賃金を算定した金額に端数が生じた場合の処理については、銭未満の端数を切り捨てる(例えば61銭→60銭)。(昭和22.11.5基発232号)

そして実際に手当等を支払う場合において、特約があるときは、その特約により端数処理を行い、特約がない場合には1円未満の端数を四捨五入して支払う。(通貨の単位及び貨幣に関する法律3条)

問9 × 法12条1項、2項、6項、昭和23.4.22基収1065号、昭和27.4.21基収1371号

① 雇入後3か月に満たない者の平均賃金の算定に当たり賃金締切日があるときは、その直前の賃金締切日から起算する。(昭和23.4.22基収1065号)

② ①により計算すると未だ一賃金算定期間(1か月を下らない期間)に満たなくなる場合には、算定事由の発生の日から計算を行う。(昭和27.4.21基収1371号)

③ 賃金ごとに賃金支払日が異なる場合の平均賃金は、各賃金ごとにその直前の締切日をもって算定する。(昭和26.12.27基収5926号)

④ 賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、6月30日に平均賃金の算定 事由が発生したときは、5月31日から遡って算定する。(昭和24.7.13基収2044号)

問10 × 法12条2項

労働した日若しくは時間によって算定され、又は出来高払制その他の請負制によって定められた場合であっても、「直前の賃金締切日」から起算する。

問11 ○ 法12条2項、昭和23.4.22基収1065号

問12 ○ 法12条1項1号

問13 × 法12条3項

平均賃金の計算においては、「通勤災害により療養のため休業した期間の日数及びその期間中の賃金」は、控除しない。

問14 × 法12条3項

「子の看護休暇を取得した期間」が誤り。

① 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間

② 産前産後の女性が第65条の規定によって休業した期間

③ 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間

④ 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第1号に規定する育児休業又は同条第2号に規定する介護休業をした期間

⑤ 試みの使用期間

問15 ○ 法12条3項3号、昭和25.8.28基収2397号

数時間労働した後使用者の責に帰すべき休業をした日があった場合、平均賃金の算定に当たっては、その日の労働に対して支払われた賃金が平均賃金の60%を超えると否とに拘わらず一部休業があった場合はその日を休業日とみなしその日及びその日の賃金を全額控除する。

問16 × 法12条3項、昭和22.11.5基発231号

平均賃金の算定に当たって、その算定基礎となる期間のうちに年次有給休暇を取得した日があるときは、その年次有給休暇の日数及びこれに対して支払われる賃金は、平均賃金の算定基礎に算入しなければならない。

問17 × 法12条3項、昭和22.11.5基発231号

問18 ○ 法12条3項、昭和25.5.19基収621号

除外期間が事由の発生した日以前3箇月以上にわたる場合は、除外事由に該当した最初の日をもって平均賃金を算定すべき事由が発生した日とみなされる。

平均賃金の計算においては、組合事務専従中の期間については、その日数及びその期間中の賃金を労働基準法第12条第1項及び第2項に規定する期間及び賃金の総額から控除するものとされている。

問19 ○ 法12条3項、昭和29.3.31 28基収4240号

問20 ○ 法12条4項

設問の賞与は、3箇月を超える期間ごとに支払われる賃金に該当しないため、平均賃金の算定の基礎となる賃金の総額に算入しなければならない。

問21 × 法11条、法12条4項、昭和33.2.13基発90号

6か月ごとに支給される通勤定期乗車券は、各月の賃金の前払いと認められるので、平均賃金算定の基礎となる賃金に算入する必要がある。

問22 ○ 法12条4項、平成12.3.8基収78号

問23 ○ 法12条7項、昭和38.10.25基発1282号

問24 ○ 法12条8項、則3条

問25 ○ 法12条8項、昭和45.1.22基収4464号