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裁量労働制の意味を知らずテレワークを導入するリスク 2014/11/11

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【アルバム】社会保険労務士 松本祐徳 メディア実績(2013~)

著書『図解とQ&Aですっきりわかるマイナンバーのしくみ』(宝島社)=33,000部=トーハン調べ2015/11/4週間ベストセラー単行本ビジネス書6位
共著『入門 マイナンバーの落とし穴ー日本一わかりやすい解説』(毎日新聞出版)=10,000部
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『週刊エコノミスト 2018年7月17日号』(毎日新聞出版)2018年7月9日発売「特集:変わる!労働法」最大枠2テーマ3頁寄稿

『週刊エコノミスト 2018年2月20日号』(毎日新聞出版)2018年2月13日発売「特集:みんなの労働法」最大枠2テーマ5頁寄稿

『週刊エコノミスト 2015年9月15日特大号』(毎日新聞出版)2015年9月7日発売「特集:マイナンバーがやって来る!」最大枠5頁寄稿

講演

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東京都知事小池百合子さんにテレビで紹介されました!

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夕方からテレワークを導入済IT企業コンサルによる、WLBとテレワークに関するセミナーに参加しました。

「新たなシステムを開発し、常時在宅勤務者の仕事の進捗状況を管理するため、常態的にチェックしている」
ということでしたので、質問コーナーで以下の通り、やりとりしました。
文中「ま」は私です

ま:「在宅勤務者との労働契約の内容はどのようなものですか?常態的にシステムを繋いで進捗を管理しているとのことでしたよね?」

A:「裁量労働制です」

ま:「常時情報機器を繋いで仕事の進捗を監視しているならば、裁量労働ではありません。また、使用者が随時、仕事の進捗に対して指示を出すこともみなし労働時間制、専門業務型裁量労働制には該当しません」

A:「問題点を教えて下さい」

ま:(労働基準局長の通達を読み上げ)「労働時間当たりの賃金を支払っているならば問題ありませんが、対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間(1日当たりの労働時間)を超過して労働しているのならば、超過分に相当する時間の賃金を支払わねば、賃金未払い(割増賃金の場合を含む)違反になることが予測されます。労働者の裁量に委ねることは、具体的な指示を出さないこと及び進捗に関して随時チェックしないことであり、労基法のみなし労働、裁量労働の条項にも明文化されています。随時監視しているのならば、裁量労働には該当せず、労働時間の算定が可能であり、労働者の労働時間として算定される時間(1日当たりの労働時間)を定める必要がありません。対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないことが裁量労働の条件です」

今回のセミナーにも、テレワークを導入しようとしている企業が多数参加しています。
本日の主催者だけではないのですが、法を知らず、自社に制度として導入し、ノウハウを他社にコンサルとして提案し、報酬を受けているのであれば、法の専門家ではなく致し方ないでは済まされません。法規を無視した労務管理を推奨するITコンサルが後を絶たないのは、とても問題があると思います。
やはり社労士がすべきセミナーです。

読み上げた通達
「平成16.3.5基発0305001号」在宅勤務(みなし)について
①当該業務が、起居寝食等私生活を営む自宅で行われていること
②当該情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと
③当該業務が、随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと