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【番号利用法】個人・従業員・法人等がマイナンバーの提供を拒否したら?【マイナンバー制度】 2015/01/27

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執筆・寄稿・取材(宝島社・毎日新聞社・日本経済新聞社・小学館・Yahoo!ニュース)
著書『図解とQ&Aですっきりわかるマイナンバーのしくみ』(宝島社)=33,000部=トーハン調べ2015/11/4週間ベストセラー単行本ビジネス書6位
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講演
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政治家小池百合子顧問社労士
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内閣大臣補佐官~マイナンバー福田峰之代議士と親交
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国会議員の方々と(一部抜粋)
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個人情報保護規程(マイナンバー法・ストレスチェック網羅版)
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平成27年10月から通知されるマイナンバー。

政府は国民に普及啓発し、マイナンバー制度に対する協力を求めています。

 

「個人・従業員・法人等がマイナンバーの提供を拒否したら?」

 

そのような疑問から、番号法の規定等を材料にして、解釈してみようと思いました。

なお、当ブログに記載した内容を根拠として、行政機関等への協力を拒まぬようくれぐれも留意して下さい。

「法律を深く理解すると、応用を利かせていろんな角度から物事が見れるようになる」程度に留めて下さい。

 

番号法は、第5条と第6条において、国と地方公共団体に対し、マイナンバーの利用に関する責務を課していますが、事業者は努力規定です。

 

(事業者の努力)

第六条  個人番号及び法人番号を利用する事業者は、基本理念にのっとり、国及び地方公共団体が個人番号及び法人番号の利用に関し実施する施策に協力するよう努めるものとする。

 

そして、事業者が従業員に対しマイナンバーの提供を要求することを定めた根拠条文や、従業員が事業者に対しマイナンバー(特定個人情報)を提供することを定めた根拠条文を拾い上げると、いずれも「提供を求めなければならない」「提供しなければならない」とする義務規定ではありません。例えば、第14条第1項について、ひねくれた解釈をすれば、個人番号の提供を求めることもできれば、求めないこともできると読み取れます。

 

(提供の要求)

第十四条  個人番号利用事務等実施者は、個人番号利用事務等を処理するために必要があるときは、本人又は他の個人番号利用事務等実施者に対し個人番号の提供を求めることができる。

 

(特定個人情報の提供の制限)

第十九条  何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。

(略)

 個人番号関係事務実施者が個人番号関係事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき(第十号に規定する場合を除く。)。

 本人又はその代理人が個人番号利用事務等実施者に対し、当該本人の個人番号を含む特定個人情報を提供するとき。

 

他方、情報照会者からの提供の要求に対し、情報提供者がマイナンバー(特定個人情報)を提供することは第22条第1項に強制法規(「提供しなければならない」)とされています。

 

 

次に、政府見解を調べてみました。

以下、内閣官房のマイナンバー「よくある質問」より

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/faq/faq4.html

 

Q4-2-5 従業員や金融機関の顧客などがマイナンバー(個人番号)の提供を拒んだ場合、どうすればよいですか?

A4-2-5 社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください。それでも提供を受けられないときは、書類の提出先の機関の指示に従ってください。(2014年7月回答)

 

 

社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することが法令で定められた義務であると回答していますが、個人や法人等が提供の求めに応じることが法令で定められた義務であるとは回答しておらず、また、応じないことを理由とした罰則もありません。

ただし、事業者に関し、各届出書類にマイナンバーを記載する義務は所管法令で課せられることになりますので、従業員等のマイナンバーを収集する義務があります。

 

なお、マイナンバーの提供を拒まれた場合の対処法は、番号法第14条第2項に基づき、住民基本台帳法別表第1から第4までの上欄に掲げられた者が地方公共団体情報システム機構に対して、機構が保存する本人確認情報の提供を要求する方法(「住民基本台帳法別表に規定する事務」とすることが条件とされる)や、同法第9条第2項に基づき地方公共団体が条例を定めて同一地方公共団体内でマイナンバーを「利用」(同一地方公共団体の同一機関内の移転利用)する方法、同法第19条第9号に基づき地方公共団体が条例を定めて同一地方公共団体内の他の機関にマイナンバーを「提供」する方法などが考えられます。情報提供ネットワークシステムはマイナンバーを符号化し連携キーにするので、当該システムを利用して番号を確認することはありません。